用語説明


結納(ゆいのう)とは
広辞苑によると、”「言納(いいいれ)」を「結納(ゆいいれ)」と訛り、さらに「(いれ)」をノウと音読したもので、婚約の証として、婿、嫁双方からの金銭や織物・酒肴などの品物を取り交わすこと。またその金品。”となっています。近頃結納について、煩わしいとか面倒だとか色々言われていますが、 <両家の家族が仲良く幸せになるためにおこなうもの>を、コンセプトとして結納をとらえてみてはいかがでしょうか。
決め酒〔固め〕とは
決め酒〔固め〕とは、縁談がまとまれば、まず約束を固めるために酒と肴を納め、結納の日取りを決めることですが、現在は、先方の負担を少なくする意味もあって結納と一緒に納めることも多くなっています。

広蓋(ひろぶた)とは
広蓋とは、広辞苑によると、”引出物などを入れる盆上の容器。古くは、衣服などを賜うとき、長持(ながもち)唐櫃(からびつ)の蓋にのせたため、のちにその形に擬して作ったもの。”となっています。 結納では、茂久録を入れます。
袱紗(ふくさ)とは
袱紗とは、広辞苑によると、”裏表二枚合わせ、または、一枚のもので方形に作った絹布。進物の上に掛け、または物を包むのに用いる。”となっています。
結納では、茂久録の上に掛けます。
風呂敷(ふろしき)とは
風呂敷とは、広辞苑によると、”物を包むのに用いる方形の布。古くは「ひらづつみ」ともいう。”となっています。
結納では、結納の品や茂久録を入れた広蓋を包みます。
毛氈(もうせん)とは
毛氈とは、広辞苑によると、”獣毛に湿気・熱・圧力・摩擦などを加えて一種の縮械を施し各繊維を密着させて製する敷物用毛織物。”となっています。
結納では、床の間や座敷、テーブルなどに敷いて、結納品やおみやげ結納をかざります。
茂久録(もくろく)とは
茂久録とは、結納品の内容と納める月と両家の名前を書いた、いわゆる目録〔目次〕のことであり、結納品に必ず添えるもので、5品、7品、9品などの品数には含みません。
結納では、広蓋に入れて、上に袱紗を掛けて女性側に渡します。 →書式
受書(うけしょ)とは
受書とは、婚約の印として、確かに結納の品をお受けしましたと書きしるしたものです。
結納では、広蓋に入れて、上に袱紗を掛けて男性側に渡します。 →書式
おみやげ結納とは
男性側から結納を贈呈し、女性側からおみやげ結納を答礼として取り交わすということです。
おみや
げ結納の松飾り〔袴料〕には、御縁に恵まれる意味で五円または結納金〔帯料〕の1割を包み、竹飾り〔酒料〕と梅飾り〔魚料〕には男性側と同じ金額を包みます。 →書式
線香(せんこう)とは
おみやげ結納を納める時に、男性側の家族へのおみやげの品に加えて御先祖様への挨拶のしるしとして、贈ります。
掛軸(かけじく)とは
掛軸とは、広辞苑によると、”書画を床の間や壁などにかけるように表装し、飾りまたは観賞用にするもの。書を掛字、画を掛絵、また書画ともに掛字という。”となっています。
結納では男性側・女性側ともに婚約・結婚を祝って、鶴亀や高砂などのおめでたいものを掛けます。
羽子板(はごいた)とは
羽子板とは、広辞苑によると、”羽子をつくのに用いる長方形で柄のある板。桐・杉などで作り、表に絵を書き、または押絵付けなどする。”となっています。
結納では、結婚式が済んだ後に、鶴・亀・松・竹・梅などの水引飾りを加工しなおして羽子板に取り付けて、いつまでも記念として飾っておくことが出来ます。

以上のことから、結納を納める時には、結納品を風呂敷に包んで持参して、毛氈を敷いてその上に飾り、広蓋に入れて袱紗を掛けた茂久録を先方に納めて口上を述べてください。

贈答とは、贈呈と答礼とを合わせた言葉です。